「複数恋愛」五つのルール

さてここでは、「複数の彼とつき合うため」の、次のような五つのルールをみてみよう。

①たとえ本命であっても、自分の部屋には男性を入れないこと
②SEXの時は、必ず避妊をする
③もしバレたときは、絶対にシラをきる
④手近なところで間に合わせない(つまり男性同士が知り合いではないこと)
⑤もうひとりの男性のテリトリーと思われる場所に.デート中に近づかないこと

⑤の場所については、あまり心配する必要はないと思われる。というのも、男性はわりに立ち回り先がワンパターンだから、そのテリトリーもはっきりしているのだ。

いっぽう女性は新しい店や珍しいメニューが大好きだし、ふつうは相手の男性の行動範囲に入ってゆくものだ。大都会なら、男たちが同じ店の常連ということも、ほとんどないだろう。(まあ財界の熟年紳士なら、揃って老舗ホテルのクラブメンバーや株主だったりするのだ
けれど。)

つまりここに、複数恋愛の醍醐味があるのだ。女性にとっては、男性の数だけ、行動範囲が広がり(つまり見聞を広め)、新しい体験の可能性があるのだ。

だが男性は、たいていの場合、女性を自分の世界に連れ込むので、相手が変わっても、テリトリーは同じだし、料理のメニューにも目新しさはないのである。

「an・an』のケースを見てみよう。

昔から、インモラルな記事は『an・an』の得意分野だった。世間は「アンノン族」などという呼称で、『an・an』と『non・no』の読者を、ひとからげにして考えたが、両者は全然違うのだ。

まず『an・an』は、そもそも『ELLEJAPON』という役割を担って出発してきただけあって、ファッションんも恋愛もフランス的。オシャレだが、危険な香りのするページを提供してくれた。

いっぽう『non・no』は、母親に見られても安心な雑誌だった。ファッションにしても、親が喜んで買ってくれそうな(ちょと野暮ったくて)無難なデザインが多かった。見合い後のデートには、ちょうど良さそうな類だ。

この『an・an』のアブナイ伝統は、『ELLE』と縁を切っても受け継がれ、近年では「複数恋愛」についても善(?)戦しているようだ。

「だってひとりに決められない、複数恋愛のすすめ。」との見出しとともに、体験者の座談会や読者アンケート、女性脚本家のエッセイなどが、四ページにわたって掲載されている。

ひょっとしたら「複数恋愛」という用語がマスコミに登場したのは、これが最初かもしれない。またベストセラーになった『負け犬の遠吠え』で使われている「恋愛体質」なる言葉も、すでにこの記事中に見られる。(私としては、「体質」というより「性」のほうがよくわかる気がするが。)

ただしそれ以外、とりたてて注目すべき内容は見当たらないのだが、「他人から見れば、単なる「尻軽女」? 勘違いし続ける、自称複数恋愛中の女たち」との厳しい指摘もある。

まあ、遊んでいるつもりが遊ばれているだけといった批判は、モテ女にはいつもつきまとうが、それでもモテないよりはマシと、当人は思っているだろう。あるいは、「それってモテない女のヒガミでしょ」と、鼻であしらっているかもしれない。

雑誌編集サイドとしては、このような辛口意見を載せることで、モテない読者の機嫌をとり、逃がすまいと気をつかっているのだったりして。

さてこの半年後の『an・an』でも、再び「複数恋愛」登場。不倫、略奪愛、複数恋愛を取り上げ、「最初から悩みと苦しみが伴うことは必至である3つのドラマティックな恋愛」とのスタンスだから、「リスクヘッジ」などと割り切っているサバサバとした明るさとは異なり。トーンも低い。だが、恋愛の世界では、「複数恋愛」の言葉も実態も。すっかり市民権(?)を得た感じだ。

 

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