変身願望のために浮気する女

私の知人に、もしかして「変身願望」を満たすために浮気した? とおぼしき熟年人妻がいる。

久しぶりに会ったとき、どう考えても身分不相応なアクセサリーをつけ、衣服にも金がかかっていそうで、しかも年齢のわりに美しく輝いていたので、これは何かあるなと思ったら、やっぱりあったのだ。

不倫相手はリッチな医者。デートの場所は、絶対にサラリーマンの夫が連れて行かない高級料亭や高級クラブ、そしてときには海外旅行へ。同伴中、彼女は院長夫人のフリをし、そのために必要な衣装や装飾品を買ってもらい、新しい世界の新しい自分に酔っているようだった。

平凡な中流生活に退屈している専業主婦の前に、こんな「シンデレラマダム」になるチャンスが現れたら、飛びつく者も少なくないのではないだろうか。あくまで目的は「変身」で「浮気」じゃないけれど、まあ大人の世界なのだから、前者に後者が負のオマケとして付いてくるのなら、それも仕方がない、と妥協する女性もいるだろうと思う。

どうせ「シンデレラ」は定刻になれば、何喰わぬ顔で元の生活に戻るんだし、誰にも気づかれないんだから、いいじゃない? と。

しかし女性の「変身願望」を叶えるには、金がかかる。この点からも、財力のある男性がモテるのは当然なのだ。

「社会階層における地位の高い男ほど妻を寝取られにくく、しかも自分は他人の妻を寝取る側に回る。そのターゲッ卜はたいていは地位の低い男の妻なのである」とある。

もちろん何事にも例外はあるもので、チャールズ英皇太子妃たったダイアナだって、ちゃんと浮気した。もちろん相手は自分の夫より地位の低い男だ。(まあ、英皇太子より地位の高い男を見つけるのは至難の技だろうけど。もしかしてアメリカ合衆国大統領なら合格だった?)

浮気相手の男性の財力をあてにしなくていいダイアナ妃や、いわゆる有閑マダムたちはともかく、そうでない女性にとっては。地位の高い男性は魅力的に違いない。社会的地位の高さはふつう収入の高さを保証すると思われている。(例外は「大学教授」だ。医者や弁護士と社会的には並べられることが多いが、収入ははるかに下回るので誤解しないでいただきたい。)

また、自分たちの日常社会とは異なった(ランク上のソサイエティに連れて行ってもらえる、という期待もあるだろう。「シンデレラ」は、「宮殿の舞踏会」へ行きたいのだ。たとえ一時のバブルドリームでも。

女性がもし、優秀な子孫を残したくて浮気をするのなら、現代日本において、「少子化」問題は起こっていないだろう。

しかしながら、(少なくとも)現代日本女性の浮気願望は、そのように生産的ではなく、より消費的なのだ。

たとえクジャクの羽根をつけて喜んでいるカラスにすぎなくても、クジャクのフリをしてみたいカラスはいるのだ。それにブランドショップは「カラス」に「クジャクの羽根」を売ってくれる。そんな消費大国でわれわれは生まれ育ったのだ。

 

カテゴリー: 未分類